矯正治療にご相談にいらっしゃる方には、「かみ合わせが悪くて、食べ物がしっかり咬めない」、「歯磨きがしにくい」、「歯ならびが悪くて、写真撮影の笑顔がきになる」など、日常生活や社会生活に悩みを持つ方が少なくありません。
良い歯ならび・かみ合わせの状態を正常咬合、歯ならびが悪い状態を不正咬合といいます。
不正咬合にはいろいろな状態があります。
不正咬合の種類
- 叢生(そうせい) いわゆる歯のでこぼこです。八重歯もここに含まれます。
- 下顎前突(反対咬合、クロスバイト) 上下の本数に関わらず歯が逆に咬んでいる状態です。いわゆる受け口です。
- 上顎前突 上の歯が舌の歯に対し大きく前で咬んでいる状態、いわゆる出っ歯です。
- 交叉咬合 両方、または片方の横の歯(奥歯)が逆に咬んでいる状態(奥歯の反対咬合)です。
- 鋏状(はさみじょう)咬合(シザーズバイト) 上の歯が外側に出て、下の歯が内側に入り、すれ違って噛んでいない状態です。
- 開咬(かいこう、オープンバイト) 前歯や横の歯が上下で咬み合っていない状態です。
- 過蓋(かがい)咬合(ディープバイト) 上下の歯が深く咬み込んでいる状態です。下の前歯が上の前歯におおむね3㎜以上、2/3以上隠れている状態です。
異なる分類法もありますが、これらが代表的なものです。
学校検診(学校歯科健康診断)で指摘されるものもありますね。
これらの歯ならびは要注意です
矯正治療が必要かどうか、早めに相談することをおすすめしたいのは
・下顎前突(反対咬合)
・交叉咬合
・鋏状咬合
です。
これらの噛み合わせは、上下のあごの骨の位置や形で生じている可能性があります。
あるいは、逆にこれらの噛み合わせがあごの骨の異常な成長を生じさせることもあります。
「骨格性の問題」の改善は大人では難しいため、お気づきになられたら早めに相談することで、必要であれば子どものうちに矯正治療をすることをおすすめします。
また、「叢生」や「過蓋咬合」など上の3つ以外でも、口を閉じて全ての歯を噛み合わせようとしたときに、どこかの歯が早めに接触して前後や左右に滑りながら(下あごがずれながら)咬み込んでいくようなかみ合わせでは、あごの骨の成長や歯ならびに悪影響を与える可能性があるため早めに相談することをおすすめします。
今回は、不正咬合の種類の紹介と骨格(あごの骨)に原因がある不正咬合、骨格の成長に影響する可能性がある不正咬合を紹介しました。
上記に当てはまらなくても、歯ならびやかみ合わせに気になることがあればお気軽にご相談ください。